あきこさんのブログ

原発肺癌の愛犬・闘病

原発性 肺癌 チワワ 犬 最後 安楽死

4/20土曜日。


 昨晩は最悪だった。
 ステロイド投与をなぜ素直に従ってやめたのかをとても悔いている。
晩は中々寝なかった。0時になっても鼻酸素マスクしながら荒い息で座って平成最後の満月の光を浴びながら外を眺めていた。
ボードに無理やり寝かせて就寝。私自身、昨日も2時間しか寝てなくて、クウちゃんが眠れているか確認もせずに眠ってしまった。2時間後の深夜2時に私の足元で真上を向いてパンティングしているのに気づき飛び起きる。
鼻酸素マスクを自分で外していて、舌の色は白くなっていた。慌てて鼻酸素マスクを付けたが、パンティングをしているため鼻酸素マスクが効果出すのかわからず、オロオロしてしまう。
ただ、昨日病院の看護師さんが鼻酸素マスクを見て「パンティングしている時は主に口呼吸ですが鼻からも少し吸ってますよ」と言っていたのを思い出し、祈るように様子を見る。
30分~1時間でパンティングがおさまる。寝かせようと無理やり横に倒す(←これはやってはいけない。そっとしておくのが正解だった)がすぐに座ってしまう(起坐呼吸・犬座姿勢)。それを時間をおいて4回位試したが同じ状態へ。諦めて、いつものようにPCでネットを始める。マウスの音を聞いているのが大好きだったクウの為に・・。
途中ウトウトしながらカクンとなり寝落ちするかと思いきや、また座って庭を見ている。夜が明けて旦那が起きてくる。最後の挨拶をして7:20に出勤して行った。
 8時過ぎてまた、しんどくなったのだろう真上を向いてパンティングが始まる。時折口をパクパクとする、まるで溺れているように見える。もう、マスクを外して殺してあげようか。と考える。しかし、更なる苦しみを与えるのが怖くてそれもできない。
もうどうなってもいいと思い、9時前に無理やり喉の奥に指突っ込んでプレドニゾロン4/1錠投与。ずっと庭を見ているので、洗濯物でも干そうかと洗濯機の物を取り出している時にクウが鼻マスクを外して追いかけてきた。慌てて傍に行き鼻マスクをつける。
9:40頃横に寝転がった。・・どうして、主治医の言うとおりにしたのだろう。プレドニゾロン4/1錠なんてずっと投与してきたじゃないか。どうして、今になって与えるのをやめたのだろう。肝臓が肥大してるからステロイド投与しなければ痛みがなくなるって私は本当に思っていたんだろうか?よりによって、どうして昨日そんな事をしたのか!どうして、どうして、どうして。。。
 自分が不甲斐ないばっかりでクウに謝ることしかできない。
横になれても、まだしんどいのだろう、目は閉じない。眠れない。
病院に電話して、苦しがっているので早めに来てください。とお願いすると早くて13時か14時位になると思います。との事。
12:25頃、また座りだした。薬が切れたのかな?またプレドニゾロン4/1錠を投与し水も飲めた。12時半位からステンレスボードの上で眠りだした。体に熱を持ち始めていたので保冷剤で体温上昇しないようにしてあげる。
ずっと体を撫ぜて熱持っている所に保冷剤を移動させたりしていた。クウもうっとりしていたと思う。13時半頃深い眠りに入ったのか小さく前足をピクピクさせていた。
一瞬、旦那が帰ってくるのを待とうか?とも思ったが、そうなると夜の診察が終わってからになり獣医が来るのが21時頃になるかも。それまでにまた急変したらどうするの?オシッコさせるために鼻酸素マスクを外した数十秒間でさえ苦しがって喘いでいるのに。
 14時頃、病院から電話があり「今から往診に向かいます。」と言われた。往診?と思ったが「わかりました。お待ちしております。」と伝え、またすぐにクウの所に戻る。
 いっそ、このまま時が止まればいい。とさえ思った。しかし、14:50玄関に車が止まる音が聞こえた。
先生と看護師さんの2名をリビングに招き入れた。クウは立ち上がって、ワンワンワンと3回吠えて尻尾ふっている。先生もあれっ?って顔をして「思ったより元気ですね」と呟いた。
ステロイドが効いていて少し眠れたからだろう。と私は説明した。可愛がられるのが大好きだったクウちゃんは、看護師さんに背中を撫ぜられてうっとりしていた。
私は、安楽死について去年レクチャーされていたのに、再度質問する。
私「安楽死処置後は少しはバタバタ体を動かすんですよね?」
先生「いえ、そんな動きはないです。手術で使う麻酔を規定以上に投与する事によって、すっと亡くなります。」 
私「亡くなったら糞尿などが出てきますよね?」
先生「いいえ、出てきません。」
私(涙が抑えられなくなる)「少しはく・・苦しみますか?」
先生「いいえ、大丈夫です。すぅ~と亡くなりますから。・・・、ではカテーテルの準備しますね。」
えっ、もう?と慌てたが、その為に来てもらっているので何も言えない。
優しく撫でてくれていた看護師さんが、いきなり注射セットを鞄から取り出した。
クウちゃんは怯えて慌てて私の所に来ようとしたが、
看護師さんに体を固定され、右前足の毛を先生が毛刈りする。クウちゃんの目が助けて!と私を見るが、私は「大丈夫よ」と声掛けをする。
太い針入れられて痛そうだな。と思っていたら針だけが抜かれて、チューブの様なものが体内に入っている状態になり、テープで固定された。
これが、カテーテルなんだ。と眺めていたらクウちゃんの固定が解かれて、逃げるようにゆっくりとこちらに来た。
先生「抱っこして逝かせてあげてもいいですよ」
私「抱っこすると苦しむので股の間にします」
  実はクウちゃんは若い時から私の股の間でくつろぐのが大好きだった。
先生「準備ができたら声をかけて下さい」
私は先生を見て『なんて残酷な言葉を言うんだろう』と思ったが、私が望み依頼した事なのだ。
今まで沢山の選択をしてきた。今がこの子にとって最後の決断の時。(私の)呼吸が荒くなっていく。
しばらく落ち着かせるため背中を撫でていたが、まだ少し怖がっているクウちゃんの顔を両手で挟んで、私は泣きながら一生懸命笑った。きっと歪んだ笑顔だったとは思う・・「クウちゃん、ねんねしよっか」と声をかけた。
先生にお願いします。と言い、すぐさま昔から使っていたクウちゃん用の子守歌を歌う。
すぐにクウちゃんの目が眠そうになり、ふにゃっと伏せ状態に崩れて私の太ももに顎をのせた。ああぁ。と思いクウを見つめながら歌い続けた。この歌は自作で同じフレーズを繰り返し歌うだけだった。
歌が終わらないとわかったのだろう、先生が「心臓を確認します」と言ってきた。私は歌うのをやめて鼻マスクをとった。
クウの胸に聴診器をあて確認してから、すっと座り直した先生が「3:12心停止確認しました。」
私は「もう、これで終わりなんですか?」とわかっているのに再度確認してしまう。
「すごく・・・眠ったみたいでした。こんな感じとは思いませんでした。苦しんでなかったです。・・・満足な・・逝かせ方でした。ありがとうございました」
と泣きながらお礼を言った。
本当に苦しまず、あっという間に逝ってしまったようだ。私はなぜもっと早くに決断しなかったのか。と、今も後悔している。
看護師さんが「これから、くうちゃんを綺麗にしていきますね」と言って爪を切りだした。先生も喉・鼻・耳・お尻に綿を詰めていく。私がしなければならないと思っていた事をしてくれた。段ボールも用意してくれていて入れてくれようとした時に、
「すいませんが、右側を下にしてもらってもいいですか?ずっと、左肺が重くて左側を下にして寝ていたので・・。」とお願いした。
「どうしても、反応で目が閉じないんですが、こればっかりはすいません」と先生に謝られる。半分目があいた状態のクウちゃんが右側を下にして横たわっている。
「ここまでしていただいて、本当にありがとうございました。」とお礼を言った。少し沈黙が流れ「お支払はカードじゃ無理ですよね(いつもカード払いだった)。おいくらですか?」と聞くと、先生は何となく少しホッとした顔をした。
金額を聞いて安くて驚いた。往診料3000円と安楽死処置料3000円で税込みで6480円だった。
「○○さんは多頭飼いされてないので、もう会うことはないかもしれませんが、またご縁があればよろしくお願いします。」と言って先生達は帰っていきました。


誰もいなくなって、亡くなっているクウちゃんを眺めながら、大声で子供の様に泣きました。しばらく泣いて、泣き疲れてクウちゃんを無言で撫でながら、旦那にラインで『3:12に逝きました』と伝えました。


     ここまでがクウちゃんの最後です。


     私たち夫婦には子供がいません。
     私たちはクウちゃんに会えて、毎日が本当に楽しかったです。
     クウちゃんはうちに来て幸せだったかな?
     
     クウちゃん、たくさんの幸せをくれてありがとう。
     もうしんどくないね。安らかに眠ってください。
     本当に本当にありがとう。